ノートが落ちている…
偽島で生活する影の薄い誰かの活動が記録されているようだ。
九折消滅記念に瀬奈視点の文章を書こうかと思いつつ、未推敲の状態。
一応置いておき。
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いつからだったか。
この島にいながら、あの人の声が聞こえるような気がしていた。
煩わしくも懐かしい、あの鈴の音ような声。
人を煙に巻くような、霞がかった…
その声が、ふいに消え、
同時に首元の傷の疼きも消えた。
その痛みが、あの人がすぐ近くにいることを教えていた。
彼女がその力を行使してこちらに何らかの影響を与えていたことは確かで、
戦いの最中にもその存在が気にかかることは、僕自身にとって酷く気にくわないことだった。
なのだが…
体の底から、溜息が湧き上がる。
声が、疼きが消えた今…何故かその人のことを案じている自分がいる。
未だ染み付いているのだ。
彼女を守っていた頃の己が。
衝動に負けて切り捨てたはずの己が。
「…面倒くさ」
駆け出したい。
全ての障害を薙ぎ払いたい。
邪魔だ。
全部邪魔だ。
僕の側の命を狙う者などあってはならない。
そんな者は消さなければならない。
それを消すのに邪魔になるものなどあってはならない。
消さなければならない。
全部。
感情が邪魔だ。
あまりに面倒。
全部切り殺してしまいたい。
何故、湧き起こる感情を切ることができないんだろう…
* * *
振るわれる剣
獣の苦痛の叫びも、彼の心には届かない
いつからだったか。
この島にいながら、あの人の声が聞こえるような気がしていた。
煩わしくも懐かしい、あの鈴の音ような声。
人を煙に巻くような、霞がかった…
その声が、ふいに消え、
同時に首元の傷の疼きも消えた。
その痛みが、あの人がすぐ近くにいることを教えていた。
彼女がその力を行使してこちらに何らかの影響を与えていたことは確かで、
戦いの最中にもその存在が気にかかることは、僕自身にとって酷く気にくわないことだった。
なのだが…
体の底から、溜息が湧き上がる。
声が、疼きが消えた今…何故かその人のことを案じている自分がいる。
未だ染み付いているのだ。
彼女を守っていた頃の己が。
衝動に負けて切り捨てたはずの己が。
「…面倒くさ」
駆け出したい。
全ての障害を薙ぎ払いたい。
邪魔だ。
全部邪魔だ。
僕の側の命を狙う者などあってはならない。
そんな者は消さなければならない。
それを消すのに邪魔になるものなどあってはならない。
消さなければならない。
全部。
感情が邪魔だ。
あまりに面倒。
全部切り殺してしまいたい。
何故、湧き起こる感情を切ることができないんだろう…
* * *
振るわれる剣
獣の苦痛の叫びも、彼の心には届かない
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